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平川動物園ズーブログ

平川夏の陣

広大な大地をアザラシをもとめて移動するホッキョクグマは、”せまい”ところが大きらいです。暑くなると夕方部屋に帰りたがらなくなります。ここで飼育員VSホッキョクグマカナさん(メス)との”たたかい”が始まります。これが、”平川夏の陣”と呼ばれるものです。
収容時、カナさんは扉が開くと、まず、のぞき込み、部屋の確認(クーラーは冷えているか、エサはあるか)をし、いったん離れます。
飼育員がその時、扉を閉めると、前足でたたいて扉を開けさせます。
さあ、勝負はこれから!後ろへ後ずさりが始まります。そして、頭を左右に振りながら前進します。この動作を何回か繰り返します。
後ずさりの距離が長いほど、首の振りが大きいほど、部屋へ入る確率が高くなります。この動作の途中段階を気にしたり、横へ移動したりしたら、またやり直しです。
また、この可愛いしぐさをみたお客様が、思わず「カワイイ」の声、カナさん、振り向いて愛嬌(あいきょう)を振りまきます。
お客様には見えないのですが、通路で”お願いだから帰ってきて・・・オレも帰れないよ・・・”と泣き出しそうな飼育員がいます。
ちなみに、夏の陣があれば、冬の陣もあります。これは、ホッキョクグマのオスのホクトが発情期(はつじょうき)に入り、部屋へ帰りたがらなくなります。この時、ホクトは大きな声でほえているので、すぐにわかると思います。
このように、夏の陣、冬の陣と飼育員泣かせのホッキョクグマですが、本能にしたがっているので仕方ないことで、年に何回か帰らない時があります。この時は、飼育員は苦笑いで”お泊り保育の日”となります。

カナさん

カナさん

クマ担当H

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