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平川動物園ズーブログ

アマミノクロウサギ「ボマ」ありがとう

みなさんこんにちは。平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回のズーブログは、非常に残念な内容となります。2015年12月に徳之島で保護されたアマミノクロウサギ「ボマ」が2月17日に死亡しました。

 

 

在りし日のボマ

在りし日のボマ

 

 

 

ボマは12月13日の夜間に徳之島の道路上でうずくまった状態で発見されました。原因は交通事故。自然保護活動をされているNPO法人徳之島虹の会、徳之島動物病院、そして環境省や地元自治体の協力のもと保護され治療が行われました。その後は奄美大島の奄美動物病院の伊藤圭子獣医師(現在はゆいの島どうぶつ病院院長)により24時間体制の治療や給餌が行われ、一命をとりとめました。

 

保護直後の様子

保護直後の様子

 

奄美大島では24時間体制の治療が行われました

奄美大島では24時間体制の治療が行われました

 

 

徳之島や奄美大島では継続治療をする施設がないため、飼育や治療を過去に経験があった平川動物公園で行うことになり、保護時の体重約700gから順調に成育し2100g程まで成長しました。飼育下ではありますが幼獣から成獣への詳細な成長を記録することができ、アマミノクロウサギの生態解明にも貢献してくれました。

 

事故の後遺症で上下の顎が不正咬合してしまい定期的なトリミングは必要でしたが、それ以外の神経症状などは改善し、左目は見えていませんでしたが動物園での暮らしには随分慣れてきていました。

 

 

4~5週間に一度、歯のトリミングを行っていました

4~5週間に一度、歯のトリミングを行っていました

 

 

しかしながら、2月17日に消化管の鬱滞により死亡してしまいました。前日までは普段と変わらず過ごしていましたが、もしかすると小さな体調不良のサインを見逃していたのかもしれません。この点については今も悔やまれます。

 

推定年齢1才半ほどと短い生でしたが、たった一年の飼育でも様々な情報や知見を我々に届けてくれました。成長記録や治療方法の検討、糞と体サイズの相関など、出来る限りデータを収集し、野生下での個体群に貢献できる情報を集めようと試みました。一部の結果については、日本動物園水族館協会が主催する動物園技術者研究会や環境省が開催する奄美希少野生生物保護増殖検討会にて報告することができました。

 

小さないのちをみんながつないで生きてきたボマは、島の自然や環境、人々の島を守る取り組み、いのちの尊さを私たちに教えてくれました。ボマから得ることができた教訓を生かし、保護療養中のネセブ(オス、2016年11月に奄美大島で保護)や今後収容される個体の管理や治療にあたりたいと思います。今まで応援してくださった皆様本当にありがとうございました。

穴掘りも大好きでした

穴掘りも大好きでした

 

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