ホーム > スタッフから > 鹿児島フィールドレポート    かっこいいけど…困ったトカゲ ~鹿児島県本土に居ついたオキナワキノボリトカゲ~
平川動物園ズーブログ

鹿児島フィールドレポート    かっこいいけど…困ったトカゲ ~鹿児島県本土に居ついたオキナワキノボリトカゲ~

みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回のズーブログでは、見た目が恐竜そっくりな!?オキナワキノボリトカゲに注目したいと思います。

 

 

見た目は恐竜!
非常にかっこいいです

 

 

このキノボリトカゲの本来の生息域は、喜界島や奄美大島以南の南西諸島になります。現地では生息場所の減少やペット用に乱獲などされ、生息数が減少しているといわれています。環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。奄美大島では探してみればやっと見つけることができる、珍しいといってもいいぐらいのトカゲです。しかし…平川動物公園から車で約40分の指宿市内の某所では、意外と簡単に見つけることができる場所があります。「絶滅危惧種のかっこいいトカゲを見ることができてラッキー!」と思ってしまいそうですが、生息域を思い出してください。鹿児島県本土には本来分布していないはずなのに、なぜか少し前から生息が確認されているのです。

 

名前の通り、樹上性のトカゲです

 

 

鹿児島県指宿市以外にも、屋久島や宮崎県日南市でも確認されています。「かっこいいし、絶滅危惧種だし、分布が広くなって良かったね」ではなく、実は意外と大きな問題になっています。

 

その理由は、今まで天敵があまりいなかった地域に、昆虫などを捕食するトカゲが侵入してきたことや、もともと生息していたニホントカゲやカナヘビなどのトカゲ類と、競合することです。

 

指宿市で見つかった場所は、照葉樹で覆われた森でした。本来の生息地にそっくりです

 

外国から来た外来種が、国内にいる生き物に影響を与えることはよく知られていますが、キノボリトカゲのように国内外来種が、他の地域の在来種に悪影響を与えていることは、あまり知られていないと思われます。気になる移入した原因ですが、沖縄や奄美からの観葉植物などの移動に紛れ込んでいたのではといわれています。

 

お馴染みのニホンヤモリも、キノボリトカゲと住みかとエサは競合します…

 

こちらはニホントカゲ

 

 

駆除が必要といわれていますが、本来の生息地では絶滅に瀕する生き物だけに複雑な気持ちになります。トカゲが自ら泳いできたならまだしも、人間活動により分布を広げてしまったので、我々の手で、何らかの対応をとる必要があります。

 

夏休みには多くの子どもたちや大人が、ペットショップなどで外国産のカブトムシやクワガタに出会う機会が多くなると思います。ふたはきちんと閉めて、絶対に逃がさないようにしてくださいね。キノボリトカゲの二の舞はないようにしたいものです。

.
.