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平川動物園ズーブログ

鹿児島フィールドレポート  猪突猛進!?意外と慎重なイノシシの姿

みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回のズーブログでは、2019年の干支「イノシシ」を紹介したいと思います。それも平川動物公園の敷地に現れる野生のイノシシについてです。

 

日本のイノシシは、本州や四国、九州に生息するニホンイノシシと、奄美大島以南の南西諸島に生息するリュウキュウイノシシの2種類がいます。鹿児島県本土にはニホンイノシシが生息しています。イノシシは基本的に夜行性で、昼間に活動していることはあまりなく、森や林で休んでいることが多いです。薄暗くなる夕方から活動を開始し、山間部の道路で走行中に見かけた方も多いのではないでしょうか?なかなか見る機会が少ないイノシシですが、痕跡は意外と簡単に見つかります。畑や道沿いの露出した地面が、掘り起こされた痕を見たことはないでしょうか?じつはこれはイノシシが掘った痕で、エサを探すために鼻先で器用に掘り起こしているのです。ただし小さな痕跡はアナグマの場合があります。

 

わかりにくいですが、管理事務所の裏山やユーカリ畑には、イノシシが掘り起こした窪みがあります…

 

自然豊かな環境に立地する平川動物公園では、園路以外の敷地でイノシシが掘り起こした痕跡を見ることができます。そんな彼らの夜の姿が見たくて、センサーカメラを設置し記録することにしました。

 

まずは落とし穴?のような窪みをつくっていたユーカリ畑にカメラをセットしました。翌日早速カメラを回収しデータを確認すると、ばっちり写っていました。しかも複数頭います。ユーカリの葉っぱは食べていないようですが、根を掘り起こしてかじっているようです。うーん困りますね~

 

夕方の薄暗い時間に早速登場!1頭だけかなと思いきや…

 

 

家族でしょうか?3頭以上いるようでした。ユーカリの根や土の中にいる生き物を食べているのでしょう

 

次は隣にある杉林に設置してみました。数日間カメラを設置したままにしましたが、ほぼ連日撮影されていました。猪突猛進のイメージがあるイノシシですが、意外とカメラの存在を少しは気にしているようで、ストロボの光に反応してカメラに接近することはないようでした。野生動物なのでやっぱり慎重ですね。

 

実はイノシシ以外にも、アナグマやタヌキ、テンなどが撮影されていました。今でも継続して園内に生息する野生動物の調査を行っていますが、警戒心が強い野生動物を撮影するには無人のセンサーカメラが威力を発揮してくれます。

 

タヌキがひょっこりはん!
数年前まではあまり見かけなったタヌキが居ついているようです!

 

こちらはテン
イタチの仲間です

 

テンが狙っているのは、このアカネズミかな?夜行性なので夜に巣穴から出てきて活動をします

 

また農家さんが困っている獣害も、動物園でも他人事ではなく、前述したユーカリ畑での被害が出ています。一部の畑では電気柵を利用し、イノシシが近づけないように工夫しています。生きるために仕方なくエサを探す彼らとなんとか共存しようと、考えさせられます。

鹿児島県ではイノシシ以外にも、サルやシカでこのような被害と対策がとられています。特に顕著なのが、人が住まなくなった場所や管理がされず放置された田畑がある場所で、彼らの生息場所が人の生活域に近づいてきていることも原因の一つといわれています。獣害問題の裏には人口減少や農業離れなど深刻な問題が関わっているのです。動物公園でも生き物を通じてこのような情報も発信していければと思います。

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