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平川動物園ズーブログ

鹿児島フィールドレポート  ~動物公園を流れる清流 五位野川の生き物(上流編)~

みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。動物公園を二分する形で流れている五位野川は、上流に民家がほとんどないため、手つかずの自然が残されています。今回のズーブログでは、五位野川で行っている潜水調査で観察した生き物にスポットを当てたいと思います。

 

上流域は清流のように水が澄んでいます!

上流域は清流のように水が澄んでいます!

 

 

今回紹介するのは動物公園付近から上流にかけてです。うっそうとした林の中を流れているため、周辺には様々な動物が生息しています。ニホンイノシシやアナグマ、カワセミやカルガモなどに運がよければ出会うこともできます。

 

ゴイサギが獲物を狙っているシーンにも遭遇します

ゴイサギが獲物を狙っているシーンにも遭遇します

 

川の中でまず目に付くのがカワムツです。

 

川の上から眺めて動いている魚がいれば、まずカワムツです!

川の上から眺めて動いている魚がいれば、まずカワムツです!

 

カワムツは河川の上流から中流域に生息するコイ科の魚です。鹿児島県本土では一番メジャーな淡水魚ではないでしょうか?「もっごろ」や「あかっぴろ」と呼ばれ親しまれています。「あかっぴろ」とは、繁殖期のオスが赤く変色することから、このように呼ばれています。

 

川底付近に目を向けると、何やら小さな魚が動いています。

 

吸盤型の腹ビレを使って岩にくっついています

吸盤型の腹ビレを使って岩にくっついています

 

こちらもヨシノボリの仲間

こちらもヨシノボリの仲間

 

ハゼの仲間のヨシノボリです。ヨシノボリは腹ビレが吸盤状になっており、岩や流木に吸い付いて、流れが速い場所でも平気な顔して(?)とどまっています。ヨシノボリは数種類に分類されますが、水中での判別は困難なため、今後は採集して種類を確定していく予定です。

 

少し流れが緩やかな岸辺では小さな魚の群れを見つけました。

 

今では希少となったミナミメダカ

今では希少となったミナミメダカ

 

この魚、今ではなかなか見ることがなくなったメダカです。最近の研究では、今までメダカは国内に1種類として扱われていましたが、ここ数年でキタノメダカ(北日本集団)とミナミメダカ(南日本集団)の2種類に分けられました。さらに細かい地域集団にも分化されているので、やみくもに飼育しているメダカを逃がすことはできません。環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類、鹿児島県では準絶滅危惧種に指定されています。

 

岩の下をのぞいてみると、何やら暗闇の中をうごめいています。テナガエビの仲間です。

 

ミナミテナガエビ

ミナミテナガエビ

 

こちらはヒラテテナガエビ

こちらはヒラテテナガエビ

 

名前の通り、ハサミ脚が長いのが特徴です。意外な程たくさん生息しており、探さなくても目に付く程の生息数でした!

 

小さなエビもたくさんいました。川岸の植物の下や石の上をちょこちょこと動いています。ペットボトルで作った捕獲器「もんどり」では、一番たくさん入ります。こちらも何種類か生息してそうですが、採集して種類の確定が必要です。

 

透き通る体が美しいヤマトヌマエビ

透き通る体が美しいヤマトヌマエビ

 

川底の石のくぼみには、鹿児島では「山太郎がに」の愛称で親しまれているモクズガニがいました。ハサミ脚の部分に藻のように見えるふさふさした毛が生えているのが特徴で、英語ではMitten Crab (手袋ガニ)と呼ばれ、この毛が名前の由来となっています。

 

石と同化しているモクズガニ

石と同化しているモクズガニ

 

 食べるととってもおいしいカニで、秋に海に下って産卵するモクズガニを獲る漁は、秋の風物詩となっています。

 

他にもベンケイガニやクロベンケイガニ、サワガニも見つかりました!

 

弁慶に似ている!?ベンケイガニ

弁慶に似ている!?ベンケイガニ

 

まるでフィギアのようなサワガニ

こっちを威嚇中のサワガニ

 

このように川をのぞくだけで、絶滅危惧種を含む様々な生き物を見つけることができました。改めて五位野川の豊かさを認識することができ、調査の回数を増すごとに新たな発見がありそうです。ご来園の際には、マイナスイオン効果が抜群の!?五位野川を眺めていただき、生き物探しにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

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