鹿児島フィールドレポート ~トカラウマのふるさと 中之島に行ってきました~
みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回のズーブログでは、トカラウマのふるさとである、トカラ列島の中之島についてレポートします。
まずはトカラ列島について紹介します。鹿児島市より南に約200㎞の距離にある島々で、その内の7つの島が有人島であり、人口約600人の十島村を形成しています。今回紹介する中之島は、十島村の中でも一番大きく、人口も多い島になります。絶海にそびえる火山島だけあって、温泉がわき出ており、他者を寄せ付けない断崖絶壁の海岸が続いています。
この中之島には、日本在来馬(古くから日本にいる馬種で西洋の馬の血統が混じっていない種類)の8種類のうち、最も小型と言われているトカラウマが放牧されています。
トカラウマは小型で誰にでも扱いやすく、暑さに強いため、農耕作業や運搬、サトウキビ搾りなどに利用されてきました。今では機械化や自動車の普及で、その役割がなくなり、中之島の自然豊かな環境で飼育管理されています。
一時は飼育頭数が減少していましたが、鹿児島県の天然記念物に指定され、少しずつですが頭数が回復してきています。
当園でもオスのトカラウマを2頭飼育しています。とてもおとなしく人懐っこい彼らですが、現在はふれあい広場のリニューアル整備のため、展示はしておりません。来年の春には、新しい展示場で暮らすことになるので、それまではご了承ください。
また、同じくトカラ列島に古くから家畜として飼育されていたトカラヤギも見てきました。トカラヤギは、小型で粗食に耐えられ離島のような荒地でも暮らすことができます。
当園のトカラヤギと同様、よく草を食べて、よく鳴いていました!!
今では島中に野生化して暮らしているそうですが、別の種の血統が混じり純血のトカラヤギの数は減少しているそうです。
絶海の孤島が続くトカラ列島… 小さな島ならではの自然を全身で感じることができる環境でした。鹿児島からは週に2~3便の定期船でしか行くすべがありません。が… 鹿児島に来られた際には、ぜひトカラ列島、十島村に足を延ばすことも検討していただければと思います。素晴らしい環境が皆様をお待ちしていますよ!