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平川動物園ズーブログ

今年も万羽!出水平野にツルがやってきました!

みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回のズーブログでは、鹿児島の冬の風物詩、出水平野に飛来するツルについて紹介したいと思います。

 

見渡すかぎりツル!ツル!ツル!

見渡すかぎりツル!ツル!ツル!

 

鹿児島県北部に位置する出水市の干拓地には、毎年シベリアや中国東北部より多くのツルが越冬のため飛来します。その多くはナベヅルで13000羽以上も確認されています。次いでマナヅルで200羽以上、ごく少数ではありますが、カナダヅル、クロヅルなども飛来しています。(平成27年11月末時点)

ナベヅルについては世界中に生息する本種の9割が、11~2月の冬季に出水に集中しています。出水平野で行われる正確な羽数調査などにより、生息数や生態について解明する重要な役割があります。

 

幼鳥と一緒に飛来しているナベヅルの親子

幼鳥と一緒に飛来しているナベヅルの親子

 

たくさんのツルの中から、数少ないカナダヅルを発見!小さくても気が強い種類です!

たくさんのツルの中から、数少ないカナダヅルを発見!小さくても気が強い種類です!

 

越冬期間中はツルが安心して過ごせるように、水田を借り上げ保護区としています。遮光ネットで一部を覆い、一部の田んぼには水を引き込んだ寝ぐらも準備しています。国や自治体、地元の方々の協力により、世界最大のツルの越冬地が管理保護されています。

 

ツルが過ごしやすように、田んぼも刈り取ったあと、そのままにしてあります。

ツルが過ごしやすように、田んぼも刈り取ったあと、そのままにしてあります。

 

たくさん飛来すればいいことばかり!というわけでもありません。最近では毎年のように発生する鳥インフルエンザの脅威があります。夏の間は拡散して分布していたツルたちが、冬の間は限られたエリアに1万羽以上集中しています。当然、感染症が発生すれば瞬く間に広がってしまいます。出水平野では防疫の徹底や、傷病個体の早期発見、糞便検査などを実施し、疾病の蔓延を防ぐ対策が行われています。

 

安心して過ごせるように、様々な機関がバックアップしています。写真はマナヅルの親子

安心して過ごせるように、様々な機関がバックアップしています。写真はマナヅルの親子

 

最近では、出水平野に集中するツルたちを分散させて、疾病の蔓延を防止し、一極集中のリスクを回避できないかを検討しています。国内でも少数しか飛来しませんが、他の越冬地(山口県周南市八代盆地、佐賀県伊万里市など)もあり、なんとか分散できないかを検討されています。当然、ツル自身が過ごしやすいと思える環境作りが大切なので、越冬地の環境整備が必要となり、まだまだ課題が残されています。

 

 

優雅に飛ぶナベヅル!鳴き声もいたるところで聞く事ができます!

優雅に飛ぶナベヅル!鳴き声もいたるところで聞く事ができます!

 

動物園は飼育展示を通して、種の保存に貢献する施設です。当園では国内最大のツルの展示数を誇り、過去にも自然繁殖、人工授精により種の保全に取り組んでいます。鹿児島県にある動物園として、出水平野に飛来するツルと深く関係を構築し、来園者の方や市民の皆様に情報発信をできるように取り組んでいきたいと思います。

冬の鹿児島へお越しの方は、温泉と美味しい食事、11種のツルを展示している楽しい平川動物公園、そして世界最大の越冬地である出水平野でツルの優雅な姿をご覧いただければと思います。

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