鹿児島フィールドレポート ~里山でキジのディスプレイで春を感じる!~
みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回のズーブログでは、意外と身近にいるキジについて紹介します。キジといえば、日本の国鳥に指定され一万円札にも描かれていました。名前を聞いたことはあるが、意外と見たことがない方が多いのではないでしょうか?
生息場所は山深い森の中というよりは、開けた林床や里山、田んぼや河川敷などで見かける機会が多いです。
特に繁殖期の春の時期には、オスが縄張りを主張するために歩き回ることも多く、そしてメスへの求愛行動に夢中になり、運が良ければ間近で見るチャンスもあります。
オスは顔の周りの赤い肉垂れと、長い尾が特徴です。一見地味に見える体も、よく見ると光沢のある緑や紫に輝いています。メスは地味な体色をしており、藪地に溶け込んでしまいます。
春の繁殖期には、オスの赤いに肉垂れが肥大化し、とても美しく凛々しい表情へと変化します。
メスの前で何度も頭を下げたり、翼を動かし体を膨らましたりと、進行方向をふさぎながらアピールしていきます。恋に夢中なのか?私の気配には全く気付いてなかったようでした。
一方、耳を澄ませば「チョットコイ、チョットコイ」と聞こえる鳴き声もしてきました。これは同じキジ科のコジュケイの鳴き声です。こちらの鳥も春が繁殖期。鳴き声は聞こえても姿はなかなか見えません。
おまけにもう一つ。キジに似ている鳥を紹介します。
鹿児島、宮崎、熊本の南九州にしか分布していないコシジロヤマドリ。こちらは里山というよりは森林に生息している鳥です。オスはキジに比べて全体的に赤みが強く、縞模様の長い尾羽が特徴です。警戒心が強く、なかなかじっくり観察することはできませんが、自然豊かな鹿児島県では、山間部の道路上で出会えるチャンスがあります!
平川動物公園では、コジュケイとヤマドリは展示しています。特にコジュケイは繁殖期に突入していますので、「チョットコイ!」と聞こえる!?鳴き声を聞くこともできます。桜の開花やぽかぽか陽気で春を感じますが、生き物の行動や姿で春を感じてみるのもすごく素敵ですよ!