このウンチ誰のですか? ~センサーカメラがとらえた生き物は何?~
みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。当園は自然豊かな環境に立地し、様々な生き物が園内や周辺で暮らしています。今回のズーブログでは、園内で見かけたウンチは誰がしたのか? それを探っていた時の内容です。

複数回に分けて排便をしています。いろいろな物がはいっています!
まず見かけたウンチですが、中にはつぶつぶの植物の種らしきものが入っており、日が進むにつれて、ウンチの量が増えてきました。きっと毎日、この場所で用を足している生き物がいるということです。日中は、気になってそこを通るたびに茂みに隠れて見張っていましたが、だれもやってきません。夜な夜な観察するのも、気配を感じられてしまい、やってこない可能性があるためセンサーカメラを設置することにしました。

こちらが今回設置したセンサーカメラ
数日間おいてみて、いよいよデータの確認です。このセンサーカメラは、温度を感知して自動で撮影しますので、日が照っていたり、葉っぱが揺れたりすると撮影することがあり、ほとんどの写真には何も写っていませんでした。あとは行き交う飼育員が写っているだけ…

行き交う飼育員がバッチリ撮影されていました。飼育員のウンチでは当然ありません…
これはダメかなと思っていたら、何やら黒い物体が写っているではありませんか!これはクロヒョウか?いやいや黒いノラネコでした。しかしネコはウンチをしている感じではなく、素通りしているだけです。

黒ネコは通り過ぎるだけでした…
写真をよーく見直してみると、何やらお尻のあたりが写っているものがありました。これこそウンチをしている瞬間のようですが、残念ながら全身が写っていません。

右上に注目!しっぽを上げてウンチをしている?
角度を変えて設置すると、近づく動物が!!

顔はみえませんが、この動物は!

ニホンアナグマでした!!

最後はどアップでカメラにも興味津々!?
そうです。鹿児島ではおなじみのニホンアナグマです。ウンチをしていたのはアナグマだったのです。もともとアナグマは「ため糞」といって同じ場所で複数の個体がウンチをためる習性があります。他の個体とのコミュニケーションや縄張りの主張に利用されているといわれています。そしてウンチの中身は、ヤマモモの実であることがわかりました。園内に落ちていた実をたくさん食べていたようです。
センサーカメラは、置いておくだけで様々な瞬間を撮影してくれます。野生生物のありのままの姿を観察するにはもってこいです。実はウンチを見ただけで、アナグマの糞というのはわかっていましたが、どうしても瞬間を撮影したくてカメラを設置していました。
園内や周辺で暮らす生き物の生息調査も実施していますので、今後も野生の生き物の暮らしを紹介していければと思います。それにしても、平川動物公園の環境が恵まれていることを改めて感じましたよ!