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平川動物園ズーブログ

ユーカリを制する者は、コアラ飼育を制する!?

みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回はコアラを飼育するには必ず必要となるユーカリのお話です。当園ではユーカリしか食べないコアラのために、鹿児島市内や指宿、種子島にユーカリ圃場を持っています。10種類以上のユーカリを栽培し、季節や好みに合わせて採取をしています。日常の管理は、草刈り、肥料の散布、枝の成形などなど、多岐にわたります。物言わぬ木ですので、動物以上に管理は大変です。気がついたら時すでに遅し…ということもあります。採取のために枝を切りますので、時期や場所を間違えれば簡単に枯れます。貴重なユーカリを維持するために、コアラ担当者はユーカリのことが頭から離れない日々を送っています。

新鮮なユーカリの確保がとても大切!

 

9月上旬に悲劇が襲いました。台風の接近です。台風9号はなんとか持ちこたえて、被害は少なく済んだのですが、10号の接近では甚大な被害を受けました。コアラが好んで食べる新芽の部分がすべて吹き飛んでいる。枝が折れている、木が傾いている、塩害で枯れている。などなど、目を覆いたくなるような状況が見られました。

 

強風で折れたユーカリ

根元から倒れた幼木

枝が垂れ下がり、今後の成育が悪くなる株も非常に多かったです…

 

 

一番重要な新芽がすべて飛んだ状態。エサにはしばらく使えません…

 

エサがなくてはコアラの飼育できません。しかも毎年台風がやってくる「台風銀座」の鹿児島です。担当者も指をくわえて見ているだけではなく、しっかり対策をしていました。台風通過後に採取できなくなるのを見越して10日間程度の必要量のユーカリを確保しておく、枝が折れたりしないように予め短く剪定しておく、支柱に固定するなど、天気図とにらめっこしながら、ギリギリの判断に迫られながら、作業を進めていきました。ちなみにこれらの作業はやりすぎると、台風通過後に採取できる枝がなくなるので、判断が非常に難しいのです…

そして圃場を分散させて、木に囲まれた場所や住宅に囲まれた場所など、様々な環境で管理しているのも、台風対策には非常に有効です。当然、風があたりにくい場所もあります。

しかしながら、10号の勢力は非常に強かったため、予想以上というか、想像通りの(´Д`)被害が出てしまいました。

現在は台風後の復旧をしつつ、使えそうなユーカリを採取して、日々のエサとして使用しています。例年通りとはいきませんが、幸い飼育に支障は出ていないのでほっとしています。

 

ただ冬の寒波で、霜や降雪があるとまたダメージを受けるので、心配事は尽きません…

 

ユーカリを制する者は、コアラ飼育を制する!と思っていますので、物言わぬ木のユーカリと日々向かいながら、今後のコアラ飼育に夢と希望を抱く毎日を過ごしています。

これからもおいしいユーカリの準備をお願いね!

オーストラリアでの生息数減少が危ぶまれるコアラですので、域外の保全場所としての役割をしっかりと担い、情報を発信していきたいと思います!

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