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平川動物園ズーブログ

意見箱より ①動物に餌を与えたい

平川動物公園の入園ゲートには「意見箱」が置いてあります。来園された皆さまがご意見などを書くことができるようになっています。

意見箱

 

毎月、「意見箱」でいただいた内容は担当者が取りまとめています。遊園地や食堂のこと、園内バスのこと、いろいろあります。動物のことに関して、よくあるご要望は

「動物にエサをあげたい」

「動物にさわりたい」

です。わからなくはないですが、結論から言えば「いつでも、どの動物でも」というのはできません。

これまで実施してきた期間限定のイベントとして「好きな動物にエサをあげよう」があります。10種類程度の動物の中から選んで餌をあげることができます。事前に配布する整理券を受け取った方だけが参加できる人気イベントです。対象となる動物種は比較的穏やかで、施設上の制約がないものを選んでいます。

 

このイベントに参加するにあたっては、飼育担当者からお話があります。

・本来、野生では何を食べているのか 動物園では何を食べているのか

・食べ物を食べるために、体のつくりはどうなっているのか

・食べるときにどのような動きをするのか

・日頃、動物園では「動物に餌を与えないでください」と、なぜお願いしているのか

・安全な餌の与え方

そのようなお話を聞いた後に、実際に動物に餌をあげてもらいます。

イベント「好きな動物にエサをあげよう」
※常時行っているわけではありません

 

間近で動物たちが食べる姿を見ること、体験することは魅力的です。それはよく理解できます。私自身も大好きですから…

 

一方で、いつでも、誰でも、どの動物にでも餌をあげられることに関しては、安全上、健康管理上いくつかの問題があります。

 

①安全面

動物園でくらす動物は動物園生まれですが、「ふれあいランド」にいるヤギやモルモットなどを除くと野生動物です。いわゆる「ペット」とは全く異なります。なつかないし、見た目と異なり危険な動物も多いです。

「餌をあげたい」

と思っても、噛まれたり、引っ搔かれたり、突き飛ばされたり、踏まれたりする可能性が十分にあります。安全面からお勧めできません。

別の問題として、群れでくらす動物に少量の食べ物を与えると、ケンカが起きてケガの原因になることも考えられます。

ふれあえるのはモルモット、ヤギなどの家畜・愛玩動物だけです

 

②衛生面

皆さんの手はキレイなようでも、いろいろな物を触ったら病原菌やウィルスが付着しているかもしれません。動物たちを病気にさせないために、餌を手渡しで与えることはお勧めできません。

 

③栄養面

シカの所で付近の葉っぱをちぎって与える人がいます。1枚だけなら問題ないかもしれません。しかし、動物園にはたくさんの人々がやって来ます。数千人の人がそれぞれに何枚かずつ葉っぱをシカに与えたらどうなるでしょう?

・食べ過ぎて肥満の原因になる

・栄養が偏る

・与えた葉っぱは毒草かもしれない

・お腹いっぱいで飼育担当者が給餌した時に食べてくれない

(食欲で健康状態が把握できない)

与えたものが葉っぱならまだマシです。お菓子を与えると虫歯の原因となります。脂っこいもの、香辛料など刺激の強いもの、塩分が多いものも健康に影響があります。

シカたちは乾草と草食獣用固形飼料を食べています

 

というわけで、動物園にいる動物の健康のこと、お互いの安全のことを考えると、「餌を与えたくても与えてはいけない」ことがお分かりいただけたでしょうか?

あたえないでください!

 

「動物をさわりたい」

というご要望については、別の機会に書きたいと思います。

園長 福守

 

 

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