ホーム > 園長のおはなし > ホッキョクグマのカナが死亡しました
平川動物園ズーブログ

ホッキョクグマのカナが死亡しました

残念ながら、ホッキョクグマのカナ(30歳 メス)が10月13日に死亡しました。

死因は老衰でした。大きな病気をすることもなく、長生きをしてくれたカナには感謝の言葉しかありません。

氷をくわえて泳ぐカナ
(2020年7月撮影)

5年前の3月にオスのホクトが24歳で死亡しており、平川動物公園からホッキョクグマがいなくなりました。

空になったホッキョクグマ展示場

 

「いつか新たなホッキョクグマは来てくれるのだろうか」

そんな声も寄せられています。

テレビや新聞の取材でもお答えしましたが、現実的には非常に難しいと考えます。

氷をなめるカナ
(2020年7月撮影)

 

まずは、日本国内の飼育状況を見てみましょう。

昨年末のデータでは、21の動物園と水族館で38頭(オス13頭メス25頭)が飼育されています。今年の5月に名古屋の東山動物園で1頭だけいたオスのホッキョクグマが死亡したと報道されていましたので、現時点では19の動物園と水族館で36頭(オス12頭メス24頭)が飼育されていることになります。

 

毎年、夏になると氷のプレゼントが届いていました

 

1995年には33の動物園と水族館で67頭が飼育されていたことからすると、ほぼ半減したことになります。理由としては、ホッキョクグマの生息数は減少し続けているため、かつてのように野生のものを捕獲して連れてくることは不可能であること、ホッキョクグマは飼育下での繁殖が難しいことが挙げられます。

 

ブイなどを遊具として与えていました (2020年6月撮影)

 

野生での状況はどうでしょうか?

IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストによると、ホッキョクグマは「絶滅危急種」になっています。これは3世代以内、あるいは10年以内での個体数減少率が30%以上の動物種であり、同様のカテゴリーにはチーター、インドサイ、ジュゴンなどが含まれます。

ホッキョクグマは地球温暖化による氷の減少に伴って生息域が縮小しており、生息地では厳重に保護されています。

また、仮に外国、特に欧米の動物園で生まれたホッキョクグマがいたとしても、各地域で飼育環境に関する厳しい基準が定められていて、平川も含め日本国内のほとんどの動物園はそれを満たしていないため、現状では導入することは困難なのです。

 

しばらくは住人がいなくなってしまう平川のホッキョクグマ舎には、野生のホッキョクグマが直面する気候変動についての解説サインも設けてあります。

地球温暖化による影響についても書かれています

看板には今もホッキョクグマの姿が…

 

このような地球温暖化という気候変動を身近な問題として感じられ、考えさせられるのは、やはりカナの存在が大きかったのだと思います。

改めてカナに感謝するとともに、便利さと豊かさを追い求めてきた人類の一員として、環境問題に関して私たちができることを考え、実行したいものです。

園長 福守

.
.