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平川動物園ズーブログ

ツルの季節

秋が深まってきました。
私は子どもの頃、鹿児島県の北部にある出水市に住んでいました。出水平野はツルの渡来地として知られています。通っていた米ノ津小学校では、隣の田んぼにツルの家族が飛んで来ることもありました。

教室からこんな光景を見ていました

 

肌寒くなって校庭のキンモクセイの花が香る頃、ツルの声がして空を見上げるとツルたちが列を成して飛んでいる、という光景が古い記憶として残っています。ですから、今でもキンモクセイの香りがすると、ツルの声を連想してしまいます。

園内にもキンモクセイがあります

いい香りがします

 

出水に最もたくさんやって来るのはナベヅルです。
県外からの観光客は、ツルと言えば白い羽毛に赤い頭のタンチョウをイメージしている方が多く、地味なナベヅルを見てガッカリすることもあるようです。
しかし、世界中のナベヅルの9割以上が出水に集まってこの数ですから、非常に希少なツルだと言えるでしょう。

地味な色のナベヅル

 

平川動物公園とナベヅルの縁は深く、前身の鴨池動物園の時代から飼育されてきました。その多くは出水でケガをしたツルが移送されたものです。
日本の動物園で初めてナベヅルの繁殖に成功したのは、平川動物公園です。

1982年に生まれたナベヅルのヒナ

 

現在飼育中のナベヅル「梅」も、ケガをして保護された後に平川動物公園に来ました。
今は1羽で暮らしていますが、将来的にはペアの相手としてオスを迎えられたらと思っています。

出水から専用の輸送箱に入れて運びました

 

ナベヅルの「梅」

 

 

平川動物公園は世界で15種いるツルの内、12種を展示しています。これだけ多くを一度に観られる動物園は国内では他にありません。

園内の「世界のツルゾーン」では順路に沿って「出水に毎年来るツル」「出水に時々来るツル」「出水に来たことがあるツル」「アジアのツル」「アフリカのツル」という順番で並んでいます。最初にいるナベヅルから最後にいるハゴロモヅルまで、よく見比べると様々な発見がありますよ。

園長 福守

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