鹿児島フィールドレポート ~ライフワークのカツオドリ観察 今年は少ない?~

みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。平川動物公園からほど近い錦江湾(鹿児島湾)では、冬の時期を中心にカツオドリという海鳥を間近で観察ができます。魚を食べるカツオドリは、上空を旋回しながら、何度も何度も海に飛び込み魚を捕まえようとします。多い時には約1㎞四方に100羽以上が集結することもありました。ありましたと書いていますが、私の観察記録では、ここ2年は多くても40羽程度、今シーズンにいたっては35羽が最高記録です。(見ていない日に100羽以上いたと情報はありましたが…)

青空にばえるカツオドリ

なぜ少ないのか?比較的沿岸域で摂餌行動をすることがある本種ですが、飛来する理由がないと考えるか、そもそも生息数が少なくなってきているのかなど、考えられると思います。

生息数の話は、推測する根拠を持ち合わせていないので、飛来する理由がないと考えて、現場を見て感じたことを記載したいと思います。

カツオドリの飛来数とおそらく比例しているのが、エサとなる魚の数だと考えています。この海域ではカタボシイワシというニシン科の魚が約10年前より多く見られています。多い時には海面の色が変わるほど、あたり一面を泳いでいましたが、今年はやや少ない印象です。この魚を捕食する大型のブリを狙って釣り人も集結していますが、今年はほとんど釣れていません…

上空でキョロキョロと見まわし、獲物を探します

狙える!と思ったら魚に向かって飛び込みます。視力は相当良いみたいです!

このような状況から想像するに、カタボシイワシの生息数がカツオドリの飛来数に関係する一要因と考えることができると思っています。

トビも魚をねらってやってきます

ミサゴ(魚食性の猛禽類)もこの場所がお気に入りです

毎年1羽だけですが、カンムリカイツブリもやってきます このつっぱった髪型?がお気に入りです

例年より少ないカツオドリですが、それでもこの場所は、日本屈指の飛来数と至近距離で観察できる奇跡の場所には変わりありません。今の時期は県外からも観察に来られる方も多く、徒歩10分もかからない場所に住んでいる自分は、ものすごく幸せだなとつくづく思います。

2月ごろになると繁殖地への移動のため、かなり数が減少します。この時期限定のカツオドリの乱舞をぜひご覧いただければと思います。

桜島の噴煙と一緒にカツオドリが見られる奇跡の場所です!

平川動物公園は、この場所から車で5分ほどの場所にありますので、ぜひお立ち寄りください!園内には足湯もありますので、寒い日でも体が温まること間違いなしです!

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