ヨシミのこと~来園編

みなさん、こんにちは!
前回のブログ→チンパンジーあれこれ~2025年のふりかえり – 平川動物公園公式サイト を書いてから、来園された数名の方に「ブログ読みました~」や「続きが気になる~」などのお声をかけていただきました。ありがとうございます!
ブログを書いても果たして本当に読まれているかが分からないので、読んでいただき少しでもチンパンジーたちのことが伝われば嬉しく思います。
前回のブログでの宣言通り、続編を書いています。

さて、今回のブログではチンパンジーの♀ヨシミが静岡県の日本平動物園から当園に到着した日のことをお伝えしょうと思います。
輸送日程は、12月22日の昼過ぎに日本平動物園を出発し、陸路で翌日午前中に鹿児島着というものでした。
こう聞くと、飛行機を使ったの方が早いのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに時間だけでみれば輸送時間自体は早いのですが、輸送箱は貨物扱いのため私たちの目の届かない時間が多くあること、冬ということもあり空港での待ち時間中の気温を考慮し陸送となりました。(輸送距離、季節や気温、動物種、個体の状態などに応じて輸送計画はケースバイケースです)
陸送であれば動物専門の輸送業者さんのトラックで温度も管理され、こまめに状態確認なども行われるので前述の理由から陸送となりました。

【12月23日、ヨシミ来園の日!】
12月にしては気温も高く、天気も晴れ!幸先よいスタートです。
搬入に伴い関係者で事前打ち合わせを重ね、作業のシミュレーションも行ってきました。
当園のチンパンジーの搬入は♀ピータンの来園以来9年ぶりのことです。

ヨシミを載せたトラックがチンパンジー舎へ無事に到着!
輸送箱を降ろします
運びます!!
検疫室に固定完了!
輸送箱からすんなり出てきました!初めての場所ですがパニックにならず落ち着いているようです。

ヨシミがスムーズに輸送箱から出てくれたので、搬入作業は20分ほどで終了しました。
輸送業者さんから道中のヨシミの様子をお聞きしたところ、落ち着いており日本平動物園の担当者さんが持たせてくださったお弁当(野菜・果物)は全て受け取って食べてくれたとのことでした。
搬入作業が終わり、輸送箱の中を見てみると、長ネギが少し残っているくらいで、他は完食していました。

搬入作業後しばらくして、ヨシミと改めてゆっくりと顔を合わせました。事前研修以来20日ぶりの再会です!
知らない場所に来て落ち着かないかもなぁと思っていたのですが、ヨシミの名前を呼んだり、声をかけたりしてみると、明らかに「この人は見たことある人~!」というような感じで担当者に近付いて来たり、お尻を向けて挨拶してきたりしました。
この時、周囲にはチンパンジー飼育関係者が数名いましたが、他のスタッフがヨシミの部屋の前に来ると見えない場所に隠れたりそっけない反応をしていたので、事前研修で数日会った程度の関係ですが、担当者のことは覚えているようでした。(この時に事前研修の意義や大切さををとても感じました。)

ヨシミが落ち着いているようだったので、手渡しで果物や野菜を渡すと、早速受け取り食べてくれました。環境が変わると食欲がなくなることもあるのでとりあえず一安心です。

手渡しでバナナを食べてくれました!
好きなものを選んで食べています

事前研修で分かっていたことでの懸念点としては、施設・設備面でいくつか違いがあることです。
当園のチンパンジー舎の寝室にはそれぞれ自動給水装置が付いています。金属性のストローのような突起が付いており、この装置を押して吸うことで水が飲めます。しかしこの構造を理解しないと水を飲むことができず、脱水を起こしてしまうのでは…と心配していました。
しかし、搬入後30分で構造を理解し、水を飲んでいるのも確認できました!一安心です。

コレはなんだ?
さわって確認
水が出ることが分かったようです

この日、当園の先住チンパンジーたちは夕方まで屋外運動場で過ごしていたのですが、タワーの上から搬入作業を見ていたので、ヨシミの姿は見えないものの何かいつもと違う様子は察しています。寝室への収容時に大騒ぎすることは確定です( ;∀;)
来たばかりのヨシミのためにもあまり大騒ぎしないでほしいのですが…。

収容時は案の定、大騒ぎ!!!(いきなり知らないチンパンジーがいるので当然と言えば当然ですが)
特に、♂イチローは大騒ぎし、ヨシミのことをかなり怖がっていました。
大騒ぎしている先住メンバーをよそに、ヨシミは特に騒ぐことなく皆のことをただただじっと見ていました。
なんとか無事に1日を終え、ほっとした担当者でした。

ここから2週間は検疫のため他の個体と接触したり、同じ部屋や通路を共有することはできませんので、環境に慣れることも含めヨシミには静かな環境でゆっくり過ごしてもらいたいと思っていました…。
ヨシミは他の個体の方に行きたそうにしていましたが、ここは我慢です。

落ち着いて過ごすヨシミとは対照的に、先住メンバーは毎日大騒ぎ!!(今思えば♂ケイは初日以外は割と静かで、♀イチエも比較的大人しかったですが…。)
ヨシミのいる方向に向かって大きな音をたてたり扉や格子を延々と揺らしたり蹴ったり、唾や水をかける、雪合戦のようにあちこちから糞を投げまくるなどして、ちっとも落ち着いた空間にならず毎日本当~に大変な状況でした!この状態が1ヶ月ほど続きました。

先住メンバーが屋外運動場にいる時間だけはヨシミと担当者にとって唯一の静かで落ち着いた空間だったので、気分転換と練習も兼ねて、検疫室からシュート(動物用の移動通路)への練習も少しずつ行いました。こちらも日本平動物園とは構造が違うので慣れてもらう必要がありました。
部屋から出ることはできても、戻らなかったり途中で立ち止まったりしましたが、時間をかければ何とか移動できるようになりました。
(※普段、冬季は寒さ対策のため屋外運動場と屋内へ繋がるシュートを開放して自由に行き来できるようにしていますが、ヨシミの移動練習中は前述の状況からも分かるように安心できる環境で行う必要があったためシュートを開放することができない場合がありました。)

検疫を終え、特に健康状態に問題がないことが確認されたため、いよいよこれから先住メンバーとの顔わせ・同居が始まります!
先住メンバーの大騒ぎっぷりに本当にこれで大丈夫なのか…?と不安を抱えつつ続編は次回をお楽しみに~!

チンパンジー担当:日髙




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