2024年11月14日にカリフォルニアアシカのココナッツがやって来ました。平川動物公園のスタッフ3名が神戸から鹿児島まで同行する特別な引越しとなりました。ココナッツは雌で、神戸市立王子動物園生まれです。2歳なので、まだ幼さが残っています。同じ年齢のミコよりもやや小柄なので、よく見比べたらココナッツを見分けられると思います。
このココナッツの母親はコナツといいます。コナツは高知の動物園で生まれ、成長してから王子動物園に移動しました。コナツが生まれた頃、私はその高知の動物園に勤務しており、アシカの副担当者として飼育に携わっていました。高知特産の柑橘類「小夏」にちなんで名付けられたことを覚えています。
同じ年に生まれたオスの仔は母親が授乳できず、人工哺育(人が親に代わりミルクを与えて育てること)となったので、しばらくはそちらにかかりっきりでした。一方、コナツの母親は子育て上手だったので、私たちは見守るだけで、ほとんど手がかかりませんでした。
時が経ち、私は平川動物公園で仕事をするようになりました。今回、前職で飼育に携わったアシカの子孫を迎え入れることになり、不思議な縁を感じ、感慨深いものがあります。長年動物園で仕事をしているからこそ、こうした経験を味わえるのだと思います。
アシカのココナッツが平川動物公園に来ることが決まってから、ココナッツファンの方々の様々なコメントを目にする機会がありました。大半は期待や応援なのですが、一部には不安や心配の声もあります。
新たな環境に慣れたココナッツは元気いっぱい、健康に暮らしていますのでご安心ください。前述のとおり、私自身がココナッツの祖父母(タイスケ&チャッピー)の代から知っているアシカなので、気にかけていますし、現担当者は神戸で前担当者から十分な引継ぎを受けています。将来的にはさらに次の世代へと繋がることをご期待ください。
園長 福守