みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の村上です。
今回はヤクシマザルの調査に同行した時の内容を紹介したいと思います。
ヤクシマザルが生息している屋久島は鹿児島市内より130㎞にある島で日本で5番目に大きな島です。
1994年に日本で初めて世界自然遺産に登録されました。
島全体が世界遺産に登録されているのではなく、島全体の2割程度となります。
ヤクシマザルはニホンザルの亜種です。本州・九州・四国に生息しているホンドザルより小型で毛が長いのが特徴です。
私は、8月に京都大学野生動物研究センターで行っている、ヤクシマザルの調査に参加してきました。
2022年から参加させていただいており、今年は3回目となります。
この調査は1999年よりスタートしています。大学の方々は何十年もの間、ヤクシマザルの調査をしています。私はその中のほんの少しの時間に参加したので、まだまだ伝えきれていない、知らないことばかりです。
調査場所は西側にある西部林道とよばれる所で、ヤクシマザルが高密度で生息しています。
この調査はロードセンサスという方法で道に出てきたサルの性別、アダルト・コドモ・アカンボウなどの頭数を記録していき、人口学的なデータを継続的に集めています。
今までニホンザルに関わったことがない私は、最初は(今でも)見分けるのに苦労しました…
調査は日の出から行うので早朝から調査になります。
発見したら時間や発見場所も忘れないように記入していきます。
観察セッション中もいくつか決められたルールがあるのでそれに従い記録していきます。
道路の上はよい休憩所になるようで毛繕いや授乳をしている様子など見ることができます。
お昼からは森の中に入り、指定された群れを探し、群れの識別表を見ながら詳しい構成を把握・記録していきます。
木の実や葉を食べたり、地面に休んで毛繕いしたり、時々ケンカをしたりとそれぞれの時間を過ごしているようです。
時間をかけて野生動物をみることによって、動物園で暮らす動物にどのような事をしなければならないか、ご来園された方に何を伝えていく必要があるか考えさせられます。
私が担当しているコアラに置き換えて考えた時、やはり生息環境の再現をして行動のレパートリーを増やすことが必要だと感じています。
コアラ館では植栽を植えていますが、その木々が大きく育つように維持し、彼らの隠れ家や休まる場所が増えていくよう努めようと思います。さらには屋久島をはじめ、豊かな自然を大事にする事や生物多様性についても来園者に伝え、一緒に考える場になる施設作りをしていきます。
最近、食生活を見直したコアラ担当:村上