みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回のズーブログでは、2022年12月にうまれたコアラのアサヒと母親のヒマワリについて紹介したいと思います。
コアラと聞いてイメージするのは、仲睦まじい親子の様子ではないでしょか?抱っこされたり、おんぶされたりする姿が、イラストで描かれていませんか?
たしかにその通りで、素晴らしく尊い感じがしますよね。
「常に愛情を注いで、我が子を全力で守る」このような表現がぴったりだと思いますが、はたして本当そうでしょうか?
実は8割は正解で、2割は不正解?な気がします。なぜかというと…
コアラの誕生から追って説明すると、生まれて半年間は母親の育児のう(ポケット)で大事に育てられています。この時点では愛情たっぷりです。そしてポケットから出てきて、ユーカリを食べ始めると徐々に状況が変わってきます。子どもが自立できそうな時期になると、時々我が子を嫌がるしぐさをみせることがあります。「キャキャ」という拒声を出し、あからさまに近くに来られることを拒むことも。生後10か月以降になると、我が子を叩いたり、噛みついたりする頻度が増えてきます。完全に嫌がっており、親子の関係が解消するタイミングになります。
あんなに愛情一杯?だったのになぜなのでしょうか?答えは母親の発情が回帰してきたためです。
当園のコアラは春と秋に強い発情がきます。子育中は発情がこないので、「母親」として過ごしますが、子どもが自立できるようになる生後約1年で、次の繁殖に向けて親子離れとなることが多いです。
野生下では単独で生活し、なわばりをもつコアラですので我が子であっても、存在が邪魔になります。ユーカリの森で暮らしており、食べ物の取り合いが起こるのが一つの理由です。そして何より毎年繁殖活動に参加でするため、次の子どもを作ることに気が向いて、子育てどころではなくなるのが原因です。
自分の遺伝子を残すことに全力をそそいでいるので、一見するとかわいそうなぐらいケンカし、我が子を追い出し、次回の繁殖に向けて準備を進めていきます。また、子どもを突き放すことで、自立を促し、自分の遺伝子を次世代に繋いでいきます。
最近では、ヒマワリの発情行動(そわそわしてきます)が顕著になってきているので、年明けにはアサヒとの別居が待っています。
親子のツ-ショットはあとわずかですし、時折ケンカをしていると思います。このような様子も含めて「コアラ」ですので、ぜひヒマワリ親子の様子に注目していただければと思います。