フィールドレポート~ロードキル1年間の記録~

カツオドリのブログに影響されて、今回はフィールドレポートを書いてみます。

私は3年前まで動物公園のすぐ近くに住んでいましたが、車で40分ほどの場所に引っ越しました。県道22号線の峠道が通勤ルートとなっています。毎日のようにこの道を通っていて、私はあることに気付きました。それは交通事故で多くの野生動物が犠牲になっていることです。多い日には死亡したタヌキやアナグマを複数頭見かけることがあります。

※ページの最後に死亡した動物の画像があります。苦手な方はご注意ください。

このように動物が車両の通行による事故で死亡することを「ロードキル」と言います。全国で年間11万頭から37万頭の動物が道路上で死亡していると推定した報告もあり、社会問題になっています。事故の犠牲となった動物は道路の管理者によって処理されるため、その被害状況の全容を把握することは難しいと言われています。私は2023年1月1日から12月31日まで1年間、ロードキルの実態を調べるために通勤中に遭遇した事例を記録しました。

1.日時

2.場所

3.動物種

以上の項目について1年間記録を取り、まとめてみました。

まずは1年間のロードキル総件数です。

1年間で121件もありました。ただし、野生動物ではないネコもカウントしてます。

アナグマ、タヌキの順に多く、損傷が激しく種判別が不可能な轢死体もありました。

鳥類は比較的少ないことがわかります。

アナグマとタヌキについては、これまでの印象としては冬にタヌキが多く、夏はアナグマが多いと感じていました。グラフにすると下のようになります。

アナグマは最初の例が3月17日で最後は11月7日でした。12月から2月まで全くありません。アナグマは秋にたくさんの食物を食べて皮下脂肪を蓄え、巣穴の中で冬ごもりをします。その生態を今回の結果は反映しています。

次に全動物種の月別の件数です。

8月、4月、5月の順に多くなっています。

気候が暖かくなり、出産と子育ての時期となる春は、多くの食物が必要となるため活発になり、事故に遭いやすくなるのではないか?と推測します。

8月に多いのは春生まれの若い個体の行動範囲が広がり、事故に遭いやすくなるのではないか?とも考えましたが、9月に極端に件数が減ることから、はっきりとした理由は分かりません。

今回は1年目の調査結果だけでしたが、2024年も引き続き記録を続けています。継続的な調査によりデータ数が増えたら、より正確な状況が把握できると考えます。

もちろん、一番いいのはデータ数が増えない、つまり野生動物が交通事故の犠牲にならないことです。調査により事故が発生しやすい時期・時間帯・場所が明らかになれば、対策について何らかの提案ができるかもしれません。

平川動物公園でタヌキ、テン、イノシシを見られる時には、ロードキルの問題のことも思い出していただけたらと思います。

皆さまも車を運転する時は野生動物に気を付けてくださいね。

園長 福守

犠牲になったタヌキ 気を付けて運転しましょう
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