みなさんこんにちは!
肉食獣担当の伊藤です!
今回のブログはヤブイヌのマドカの肛門腺絞りについてご紹介します!
肛門腺って聞いたことはありますか?
お家でイヌやネコを飼っている方は知っているかもしれませんが軽く説明します。
肛門腺とは肛門の左右にある強い臭いのする分泌物が入っている袋の事をいいます。
通常ではウンチをする際に肛門腺が圧迫され、ウンチと一緒に分泌物が排泄されます。
この強い臭いがウンチと一緒に出ることでマーキングをする際に役に立ちます。
ペットとして飼われているイヌにみられる症状で肛門腺が詰まってしまい分泌物が出てこないというものがあります。
上手く出せないのに分泌物はどんどん溜まってしまうので、気持ち悪いのか痒いのかわかりませんが、お尻を執拗に舐めたり噛んだりしてしまいます。
こういう時は動物病院にいって獣医さんに肛門腺を絞ってもらいます。
ここまで読んでいただいたらなんとなくわかるかと思います。
そう、ヤブイヌのマドカも同じ症状が出てしまいました。
ある日マドカのお尻辺りに傷ができているのを発見しました。
深い傷だったので麻酔をかけて検査を行いました。
しっかり傷口を確認すると自傷のような傷だったため、お尻周りの傷ということもあり肛門腺を疑い絞ってみました。
すると分泌物が出るわ出るわ!
絞っても絞っても出てくる分泌物に驚き、これだけ溜まっていたのに気付けず申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
マドカが肛門腺から分泌物を出しづらい個体だとわかり、これから定期的に肛門腺絞りをしなくてはいけません。
ペットのイヌであればある程度のことであれば押さえつけなくても、暴れる子も少し保定をすれば処置が可能です。
しかし、ヤブイヌは家畜ではなく野生動物です。体は小さいですが肉食動物であり、噛まれれば大きな怪我に繋がります。
治療をするには麻酔をかけるしかないですが、肛門腺を絞るために毎回麻酔をかけるのはマドカの体にすごく負担がかかってしまいます。
ではどうしたら良いのか。
自分が出した答えはハズバンダリートレーニングです。
ハズバンダリートレーニングとは健康管理をするためのトレーニングです。
檻越にこちらの指示に従ってもらい、上手にできたらご飯がもらえるという方法で、動物に嫌な思いをあまりさせずに治療やケアをすることができます。
流れとしては、まずターゲットという目印を使ってマドカに格子に対して平行に立ってもらいます。
この姿勢ができたら、次にお尻周りを触られる刺激に慣れてもらいます。
徐々に肛門の近くを触っていき刺激に慣れてきたら、絞るために肛門を押す刺激に慣れてもらいます。
ここまでできたら完成です。簡単に書きましたが少しでも嫌になるとできなくなってしまうので焦りは禁物です!
マドカは以前からトレーニングを行っていたので、格子に対して平行に立ち、体を触られることには慣れていました。肛門への刺激に慣れてもらうだけだったので、肛門腺絞りをするのもそんなに時間はかかりませんでした。
できるようになってからは週に1~3回程肛門腺絞りを行い、今ではお尻を気にすることがなくなりました!
トレーニングの成果が出たのだと思います!
マドカは他にも色々な問題を抱えていますが(後々紹介できればと思っています)これらの問題を上手くカバーしながら平川での生活を謳歌してもらいたいです!
長文になってしまいました。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
これからもヤブイヌ舎のプリプリ*プリンセスマドカをどうぞよろしくお願いします!