レッサーパンダ舎から・前編

みなさん、こんにちは。
ご存じの方も多いと思いますが、昨年の12月14日、心不全によってレッサーパンダの風美さん(♀)が亡くなりました。
また、時を同じくして残る二頭、スバル(♂)とメロディ(♀)の同居も始まり、レッサーパンダ舎ではいろいろ慌ただしい年末年始となりました。

今回は、前後編に分けてレッサーパンダ舎からの様々な情報をお届けします。
前編は、昨年天国へ旅立った風美さんについてです。





風美さんは2007年7月11日、千葉市動物公園で産まれました。お母さんはチィチィ、お父さんは立ち姿で話題となった風太です。
繁殖賃借契約(ブリーディングローン)によって2011年2月7日に平川動物公園へ来園し、三頭の仔をもうけてくれました。


↑2014年に産まれた双子のキラとソラ。現在は繁殖の為、他の動物園へ移動しました


風美さんといえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
私は、なんといってもこの風美スマイルです。リンゴをもらったとき、落ち葉プールで遊んでいるとき、ふわりとかわいい笑顔をのぞかせてくれました。



16歳と高齢でしたが、誰よりも食欲旺盛でリンゴが大好き。
前担当者が始めたハズバンダリートレーニングではリンゴをご褒美として使用していましたが、昨年の春、私がレッサー担当へ異動になった際に行われたトレーニングの引継ぎでも、
「リンゴがもらえるならだれでもいいです~」
と言わんばかりに、初対面の私にも穏やかに接してくれました(なお、スバルとメロディには「だれ……」という反応をされました。きっとそれが普通です)
今思えば、1年にも満たない短い間ではありましたが、そんな風美さんのおおらかさに何度も助けられていました。


風美さんは毎年行われていた健康診断の際、心臓の聴診にて雑音がみられたことから長く投薬治療を続けてきました。今年11月に行った検診では大きく結果は変わっておらず、とりあえず悪化していないことに胸をなでおろしたのを覚えています。

また、11月半ばから採食量(エサを食べる量)の低下やそれに伴う体重の減少が起こり、前担当者のアドバイスのもと、特別メニューのエサを与えていました。
(本来はもう少し特別メニュー期間を長く設け、体重の推移などをデータとしてまとめたあとにブログでご報告するつもりでしたが、道半ばで終わってしまったのでこちらにその経緯もまとめておこうと思います。
少し長いですが、どうかお付き合いください。)

・普段のエサ(一日分)
写真があったのですが、データが破損してしまいました……(;_;)
こんな感じかな……と想像力を働かせて見てください。
 ペレット(固形飼料):130g(少しだけ水でふやかす)
 リンゴ:330g
 竹フレーク:3g
 竹(孟宗竹)の枝葉:約1kg(量は季節によって変わります)
これらのうち、ペレットだけを全く食べない日々が続きました。

・特別メニュー


↑特別メニューのエサ。いつものリンゴに加え、バナナや粉ミルクが入っています


見慣れないバナナや粉ミルクに、さすがの風美さんも最初は警戒している様子・・・
しかし、数日間試行錯誤しながら量を変えたり切り方を変えたりした結果、ぺろりと平らげてくれるようになりました。

↑まずはリンゴと同じ大きさに切り、ペレットを細かくして混ぜてみる

↑リンゴだけきれいに掘り返して食べました。得体のしれないもの(バナナ)を混ぜられて少しご立腹。


↑切り方を小さくしてみる


↑やっぱりリンゴだけ掘り返して食べました。けど小さく切った分リンゴにくっついてたバナナは食べてる!少し前進。


↑それなら……これでもかと細かく切って混ぜてみる


↑食べた!そしてお皿を分けてたペレットもなぜか食べてる!やったー!


このころの風美さんのお食事は、もともと一日三食だったのを四食に増やし、さらにバナナと粉ミルクを加えた増量メニュー。ほかの二頭に比べて実に1.5倍の量でしたが、残さず食べてくれていたことで減ってしまった体重も徐々に戻りつつありました。

風美さんが天国へ旅立ったのは、そんな様子を見て「まだまだ元気いっぱいだなぁ」と少し安心していた矢先のこと。あまりに突然のお別れでした。
亡くなる当日も、いつもと変わらずご飯をおいしそうに食べてくれていたのを覚えています。午後からはお外に出て、12月にしては暖かい陽気のなか、ルーティンのお散歩や落ち葉遊び・枝の破壊を楽しまれていたので、発見した時は「まさか」という気持ちでいっぱいでした。
ですが、よく食べ、よく遊び、とても風美さんらしい最期だったのではないかと思います。


また、風美さんが亡くなったあと、レッサーパンダ舎前に献花台を設置しました。
(※現在、献花台の設置は終了しております)

↑風美さんの献花台
屋外でしたので、お手紙など風に飛ばされやすいものはレッサーパンダ舎内に飾らせていただきました。


たくさんの、思いのこもったお花やお手紙をいただきました。
きっと風美さんも天国で喜んでいると思います。
これまで風美さんを愛していただき、ありがとうございました。

風美さんは、ご高齢になっても好奇心と乙女心を忘れない、かわいらしいおばあさんでした。
短い間だったけれど、頼りない私にたくさんのことを教えてくれてありがとう。



次回はスバルとメロディの恋模様についてお届けします。
また、国際レッサーパンダデーにて皆様からいただいた募金をお送りしたRedPandaNetwork(野生レッサーパンダの保全活動を行う団体)より、募金の受領書を先日いただきました。あらためてHPにてお知らせしますので、今しばらくお待ちください。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

レッサーパンダ担当:貴島

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