意見箱より ⑤やせた動物がかわいそう 

入園ゲートにある「意見箱」には様々なご意見が寄せられます。

その中で いくつか
「やせた動物がかわいそう」
というご意見がありました。

たとえば、ライオンに対してそのようなご意見があります。餌の量が心配の方もいらっしゃるようです。(もちろん十分な量を与えています)
こちらがオスのライオン、「ジオン」です。

ライオンの「ジオン」

ジオンは2003年に静岡県の動物園で生まれ、2005年に平川動物公園にやって来ました。
たしかに「瘦せている」と言われたら、そのとおりです。

ライオンの寿命は、野生では約10年、飼育されているものは約20年です。飼育されている方が長生きするのは、食べるものに困ることがなく、ケガや病気をしたら適切な治療が施されるからです。

今年の6月で19歳になるジオンは、ライオンとしては高齢となっています。
人も含めて、どんな生き物も高齢になれば若いころと比べて筋肉が落ち、食が細くなりがちです。

これは生き物としては避けられないことで、ライオンも同様です。

13歳のベンガルトラ「ベル」

大自然に生きる野生の生き物は美しく、たくましく見えます。

年齢とともに体力が低下したり、体が不自由になることは野生の生き物にとっては獲物を捕らえられなくなったり、獲物として狙われ、命を落とすことを意味します。

その結果、生き残っているのは「美しく、若々しく、たくましい」者だけということになります。

長生きすることだけが幸せか?

と問われると、簡単に答えは見つかりませんが、動物園では高齢の動物に対して飼育担当者が懸命に世話をしているからこそ、長生きしてくれていることは理解していただきたいと思っています。

高齢のトカラウマ「カケル」と飼育担当者

園長 福守

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