鹿児島フィールドレポート ~ カツオドリは冬に集まる? ここ数年の動向 ~

みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。このズーブログでも何度か紹介しているカツオドリについてです。ライフワークとして動物園からほど近い錦江湾に飛来しているカツオドリを観察し記録をしていますが、2023年の公益社団法人日本動物園水族館協会九州・沖縄ブロックの飼育技術者研究会にて、飛来しているカツオドリの状況を発表しましたので、少しだけ概要を紹介したいと思います。

飛ぶ姿がとにかくカッコいいです。

まず簡単にカツオドリとはどのような鳥かというと…

生物学的には、カツオドリ目カツオドリ科に属する海鳥です。(海域を主な生活場所)

インド洋、南大西洋、太平洋西部および中東部、カリブ海と広く分布しています。日本では主に南日本の太平洋側で見ることができ、小笠原諸島 草垣群島、尖閣諸島などで繁殖が確認されています。

鹿児島湾(錦江湾)以外では、陸地からの近距離からの観察は比較的困難だと思っています。

有名なのが、某アウトドアメーカー(アパレルメーカー)で、カツオドリをモチーフにしたマスコットがあります。(たぶんペンギンに間違えられているアレです)

秋から冬に飛来数が増加

冬につれて飛来数が増加します

観察していると、秋から冬にかけて飛来数が増加し、春にかけて徐々に減少していきます。

春から秋までは、ほとんど見かける機会がなくなりますが、数羽は飛んでいることがあります。

見かけない時期は、どこで何をしているか? 

本種の生活史から営巣地での繁殖活動と考えられます。近隣の繁殖地として有名なのは、約140km離れた草垣群島で数千羽のカツオドリが群れを成しています。繁殖期は早ければ2月ごろから始まるので、この時期から徐々に錦江湾から移動し、子育てが一段落した秋以降に、採食のために戻ってくるというのが仮説になります。

将来的には発信機や標識を用いた調査を実施したいと思っています。

釣りエサに飛びついて混獲されることもあります。

このカツオドリは他の海鳥同様に、様々な脅威にさらされています。漁業による混獲、繁殖地での外来種被害、開発行為による生息地の悪化などがあります。正確な生息数はわかりませんが、一極集中の繁殖地や海洋資源に頼る生活史は、必ずしも安定した未来は約束されていません。このような状況に置かれている本種を、間近で多く観察できる錦江湾で調査や記録をとることは、保全や保護活動の基礎になり重要な活動と考えています。

エサとなるカタボシイワシ。大きく分けて2つのサイズが見られます。胃内容物には甲殻類の幼生や植物プランクトンのようなものが確認できます。小魚にとっても生活しやすい環境だと思います。カツオドリの保全を考えるなら、エサとなる本種の錦江湾での生活史も見ていかなければなりません。

ダイナミックに飛び込み、風をつかんでグライダーのように滑空する姿はとてもカッコいいです。遠方からもわざわざ見に来る方も多く、カツオドリの様子を随時お伝えできればと思っています!

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