みなさん、こんにちは!
5月に入って暑い日が多くなりましたね…!
今回は高齢動物の飼育(ケア)について、少しお話ししたいと思います。
当園で飼育しているブラジルバク♀ルーシーが、5月4日に虹の橋を渡りました。
本当は生前、「今こんな様子です!」というお知らせをブログでしようと文章を考えていたのですが、それは叶わず…
でもここまで頑張ってきたルーシーと私たち飼育員のことを少しでもお伝えしたく、ここで紹介させていただきます。
ルーシーは高齢ではありましたが、オスのキョンツーと仲良く(時にはしつこくされて困っていましたが…笑)過ごしていました。
2024年の1月から足腰の衰えを感じるようになり、そこからふらつきや転倒が見られ始め、徐々にコンクリートの室内では自力で立ち上がれなくなってきました。
室内に砂を敷き滑りにくくしたり、エサ置き場を低くしたり、と、様々な工夫をしてきましたが、徐々に自力で立つ事ができなくなり、3月には自力歩行ができなくなりました。
最初の頃は飼育員4人で支えると歩くことができましたが、3月中旬以降は8人でルーシーを持ち上げても、踏ん張る力がなく、立つ、歩くができなくなりました。(ルーシーは200㎏以上ありました!)
そうなると寝たきりの状態になり、体位を頻繁に変えてあげることで褥瘡(じょくそう)の発生をなるべく緩和したりすることしかできなくなります。
立てない、歩けない高齢動物の飼育をどうするべきなのか…
幸い、ルーシーは食欲が落ちることなく、排泄も自力ですることができました。
ただ、体重200㎏を超えているため、簡単に体位を変えたり、ケアすることが難しいのが現状です。
それでも、担当以外の飼育員も集まり、毎日3回体位変換したり、新たに設置したチェーンブロックを使い、起立介助をしながら短時間でも立たせてみたり…
色々手探りの中、様々なケアを行いました。
エサも寝たきりでは食べられないため、3回の体位変換のときに水を飲ませたり、エサを与えたりしていました。
何をしてあげられるのか、本当にたくさん悩みました。
毎日しっかりとエサを食べてくれるルーシーに会うことが、救いでもありました。
様々な意見があると思いますが、高齢動物(ルーシー)のQOLを維持するために、試行錯誤した期間でした。
動物の飼育をしていて大変なことはたくさんありますが、高齢動物の飼育の大変さに直面した瞬間でした。
3月末にルーシーは29歳の誕生日を迎えることができました。
ルーシーの介護期間中、展示場で私たち飼育員が頑張っている姿を見た方もいるかもしれません。
展示場にいつもいるルーシーがいないことに気づいて、心配&応援をしてくださった方々もたくさんいました。
亡くなる3日前から少しずつ食欲が落ち、GW中のちょうど全員が出勤している日に、旅立ちました。
本当によく頑張ってくれました!
その後、鹿児島大学の協力により、ルーシーの全身を検査していただき、老齢による脊椎や腰椎の変形等が分かりました。
今後は、ルーシーから学んだことを生かし、今いるバク(キョンツー&ユメゴロウ)や他の高齢動物たちに繋げていきたいと思います。
最後までルーシーを見守ってくださった皆様、本当にありがとうございました!
南米館担当:加藤