「発信する」ということ

園長ブログをしばらく更新できていませんでした。できれば毎月複数回、少なくとも年間10回以上は更新することを自らの目標としてきただけに、「そろそろ書かなければ……」という思いはずっとありました。決して怠けていたわけではありません。むしろ、書きたいことは山ほどありました。しかし、なかなか筆(キーボード?)が進みませんでした。

その理由の一つは、最近、全国の動物園・水族館で起きたことやその関係者について、SNSなどで様々な意見が交わされる場面を目にするのが増えたことです。動物の移動や死亡、人工哺育で育った動物の社会化(群れ入り)などについて、多くの方が関心を寄せること自体は、ごく自然なことだと思います。

一方で、断片的な情報や十分な事実確認がなされていない情報をもとに議論が進み、関係者を傷つけるような心無い言葉を目にすることも少なくありませんでした。中には、AIなどで得た情報を十分に検証しないまま事実と思い込んで発信している例や、特定の園館に対して情報開示請求をするよう皆に呼び掛ける投稿なども見受けられました。

私自身も、過去に当園へ寄せられた厳しいご意見への対応を経験しています。そのため、外部の立場で知り得る事実には限りがあるのに、他園館で起きた出来事について軽々しく私が意見を述べるのは適切ではないと感じていました。

「園長ブログで私見を書こうか、いや、書くべきではないのでは…」

そんな葛藤が続き、意見を発信することに対し慎重になっていました。それが最近ブログの更新が進まなかった主な理由です。

動物園職員にとって、ご意見やお問い合わせに対し誠実にお答えすることも大切な仕事です。しかし、限られた人員で通常業務を行う中で、それらの対応に多くの時間が割かれる状況になれば、結果として本来の業務である動物の飼育管理や情報発信、来園者サービスに充てる時間が少なくなってしまいます。そのような状況は、私たちとしても本意ではありません。

情報発信する立場としては、自らの言葉が節度と品格を備えたものであるかを常に意識すべきですし、私自身もそうあらねばと思います。そして、SNSなどでは断片的な情報が独り歩きすることもあるからこそ、動物園に直接関わっている私たち自身が、動物たちのことや動物園の日々の出来事を、できるだけ正確に、誠実に、丁寧にお伝えしていくことが大切だと考えています。

これからも、動物園での日常や取り組み、動物たちの魅力、私が感じたことなどを、このブログを通して少しずつお届けしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

園長 福守

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