バーチャル動物園

全国的にコロナウィルスの感染拡大が深刻な状況となっています。
一昨年から同様の状況が繰り返され、動物園でのイベントも様変わりしました。
密集が避けられる、事前申込制で人数を制限できる、など感染対策が可能なもの以外は実施できないイベントが多数あります。
ところで動物園でのイベントは何のために行うのでしょうか?
入園者数を増やすためでしょうか??

昨年8月から9月にかけて、まん延防止等重点措置が適用され約1カ月半の間 臨時休園しました。開園できるようになった10月以降は、以前のようにはイベントが実施できないにもかかわらず、例年と同程度かそれ以上の入園者数でした。

極端な話、「イベントが無くてもいいんじゃない?」という声も聞こえてきそうです。

国際レッサーパンダデーイベントでの担当者によるガイド(2019年9月)

動物園におけるイベントは「動物のこと、動物がくらす自然環境のこと、動物園が取組んでいることを皆様に伝える」役割があると私は考えます。

そうだとすると、多くの方々に来園していただいても以前ほど「伝える」ことができていないのではないか、という気がしてなりません。

そんな中、コロナ禍においてはSNSを利用した情報発信やオンラインイベントにも平川動物公園は積極的に取り組んでいます。

1月23日にオンラインイベント「第3回おらけんバーチャル動物園」が実施されました。これはNPO法人オランウータン・リサーチセンター(通称:おらけん)が主催し、平川動物公園が協力する形で行いました。

オンラインイベントのポスター

内容は

・平川動物公園の紹介

・ボルネオオランウータンのポピーの紹介

・オランウータンについての質疑応答

などでした。

オンラインイベントはこれまでも経験してきましたが、今回はこれまでになく関わるスタッフも多く、機材も充実しているため、事前に打合せ(こちらもオンラインで)を十分に行いました。

当園スタッフも事前に動画を撮影・編集するなどして準備を進めました。

どうぶつ学習館には たくさんの機材

そして当日を迎えましたが、あいにくの雨…

それでも園内からのライブ中継ではポピーの姿を全国に配信することができました!

ライブ中継用のタブレットとポピー
私にとっては戸惑いも多いオンラインイベント

オンラインイベントだと、参加している皆様の表情や反応が直接は分かりづらい、というある種の「やりにくさ」はあるものの、チャットで寄せられた質問が次々とモニター画面に表示されるという今までにない「面白さ」も感じました。

このようなイベントが実施できたのは、NPO法人オランウータン・リサーチセンターのスタッフの皆様が全面的に協力してくださったからです。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

オランウータン・リサーチセンターのウェブサイトはこちら

https://www.orangutan-research.jp/index.html

1月は「平川動物公園 動物講座」を公式YouTubeチャンネルで初めてライブ配信しました。
技術面の課題もありますが、今後は遠隔地の学習プログラム対応に応用できる可能性があります。

本当はバーチャルでない動物園でのイベントをお楽しみいただきたいのですが、リアルなイベントが難しい今は別の形での情報発信をしていけたらと思います。

園長 福守

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