ご長寿モンちゃん

8月14日から長らく休園していましたが、10月1日から開園いたしました。
園内の賑わいが戻って、本当に良かったと感じています。

さて、例年であれば、9月の敬老の日にイベント「長寿動物をお祝いしよう」を行います。昨年からコロナウィルス感染症対策のため、一部のイベント以外は実施ができない状況が続いています。

今年は休園期間中に敬老の日を迎えました。平川動物公園には国内最高齢のマレーグマ「ウラン」など、お年寄りの動物が数多くいます。一般的に動物園にいる動物の方が野生のものより長生きする傾向にあります。高齢になっても元気でくらしている動物がいるということは、外敵に捕食される心配がないだけでなく、医療や栄養の面で適切な管理がなされているからだと考えられます。

ご長寿動物の中でも、今回はホオジロテナガザルの「モンちゃん」をご紹介します。

ホオジロテナガザルのモンちゃん

ホオジロテナガザルはベトナムとラオスの熱帯雨林にすんでいます。森林伐採や密猟のため、生息数が著しく減っており、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでは絶滅危惧種の中でも最も危機的状況にあるCRに区分されています。

体色はオスが黒く、メスは薄茶色なので一目見て性別がわかります。

このホオジロテナガザルは国内の動物園で2頭しか飼育されていません。

1頭は大分の動物園にいて、もう1頭が平川にいるモンちゃんです。両方とも非常に高齢で、繁殖の見込みはありません。寂しいですが、いずれ日本からホオジロテナガザルはいなくなってしまうことでしょう。

旧 類人猿舎にいた頃のモンちゃん

以前、私もモンちゃんの飼育を担当したことがあります。最初に出会った頃は旧 類人猿舎(今はチンパンジー舎になっている所)でくらしていました。

その前は、サル舎のバックヤードでくらしていたこともあります。

さらにその前は、鹿児島市与次郎にあった遊園地で1980年5月まで飼育されていました。そこで飼育されるようになった詳しい経緯はわかりません。1970年代まではCITES(通称ワシントン条約)に日本は批准してなかったため、野生由来の動物を比較的容易に輸入できていました。推測なのですが、モンちゃんは子供の頃に捕獲されて日本にやって来たのでしょう。

そして付けられた名前は「モンジロウ」。本名は今もそのままですが、「メスなのにモンジロウではちょっと…」ということで、私たちは「モンちゃん」と呼んでいます。

(動物の名前に「ちゃん」や「くん」を付けるのは擬人化しすぎであり、誤解を招くので日頃は使わないのですが、モンちゃんだけは大目に見ています)

今から7年前、旧 類人猿舎が再整備事業のため解体されることになり、モンちゃんはオランウータン舎に引っ越すことになりました。

オランウータン舎にいた頃

今では旧 類人猿舎の跡地に新築されたチンパンジー舎の1室(非公開エリア)で余生をすごしています。

モンちゃんは高齢のため、だいぶ前から視力が低下しています。機敏な動きもできません。
皆さまの前にお目見えすることはないのですが、静かに、穏やかにくらしています。

最近のモンちゃん(チンパンジー舎にて)

ある意味、モンちゃんの人生は波乱万丈でした。
同じホオジロテナガザルに出会うことも長年ないまま、日本最後のホオジロテナガザルとなるかもしれません。
平川動物公園ではモンちゃんが最後まで少しでも幸せにくらせるよう、できる限りのことをしたいと考えています。

園長 福守

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