前回のブログでは、フンボルトペンギンを見て
「暑いのにかわいそう」
とよく言われることについて書きました。
実際にはフンボルトペンギンは南アメリカの温帯に生息するので、雪と氷の世界のペンギンではないというわけです。
もうひとつ、ペンギンに対する誤解があるので書いておきます。
それは、羽毛が生えかわっている途中のペンギンを見て
「かわいそう」
「病気?ストレス?」
と言われることがあります。
ペンギンは1年に1回すべての羽毛が短期間で生えかわります。これを換羽(かんう)といいます。
換羽が始まると水に入らなくなり、あまり活動しなくなります。食欲が低下し、ほとんど餌を食べなくなります。
これらの様子から「かわいそう」と感じられるのでしょう。
換羽は育雛(子育て)が終わったころに始まりますが、ちょうど暑い盛りと重なることが多いため、なおさら かわいそうに見えてしまいます。
しかし、これは年に1回ある生理的な現象です。もちろん病気ではなく、苦しんでいるわけではありません。
換羽後のペンギンはいかにも「新品」という感じの羽毛に覆われていて、若々しく見えます。
ペンギン展示場には「フンボルトペンギンの1年!」と題した表示物があり、換羽についても説明があります。
動物公園にお越しの際は、こちらもぜひご覧ください。
園長 福守