新年度が慌ただしく始まり、あっという間にゴールデンウィーク直前となりました。
今年もゴールデンウィークは事前申込制とさせていただきました。すでに申込期間は終了していますので、ご了承ください。
【募集は終了しました。】
ところでこの春、多くの職場で人事異動があったことと思います。
平川動物公園でも飼育職員の担当動物に変更がありました。例年と比べて大幅に変わっています。また、新規採用の職員も迎えました。
以前は他の動物園にも「カバの○○さん」「ゴリラの○○さん」というように、職人気質の「この道一筋」というレジェンドの方々が多かったように思います。
今でもゾウや類人猿を長年担当されている方がおられます。知能がとても高く、動物と人との関係性が強固かつ重要で、危険な一面もある動物は、担当チーム内にベテランがいた方が何かと心強い面があります。経験の浅い人だけになると、動物が精神的に不安定になる場合があるし、人に危険が及ぶこともあります。同じ人が長年同じ動物を担当すると、長期的視点で計画を進められ、知識や経験の蓄積が十分にできるメリットもあります。
一方、飼育担当者を固定化した場合のデメリットとしては
・「この動物はこの人しかできない」という状況になりかねない
・飼育技術の継承が困難で後継者が育たない
・人によっては相性が悪い動物、不向きな動物もいる
・従前の方法を変えず、新たな取り組みに対して消極的になりがち
ということが挙げられます。
特にコロナ禍において、仮に誰かが急に一定期間休まざるを得ない状況になったら、誰が代わって業務を行うのかは大きな課題となっています。
定期的に担当替えをすることにより「この動物はこの人しかできない」ことが解消され、
「以前やったことがある動物だから、代わりに対応できる」
状態となり、より安心して動物を飼育できるのです。
かつて私は16年間続けて担当してきた動物から離れることを経験しました。
その時は
「あのまま担当していたかった…」
「でも、組織の一員としては理解しなければ…」
と複雑な心境でした。
今となっては、その後も様々な動物の飼育を経験したことが多少なりとも知識の幅を広げるのに役立った、と感じています。
この春からの新しい体制が、よい方向に向かうことを期待しています。
園長 福守