鹿児島フィールドレポート ~うれしい誤算!? 巨木の森でアオバズクと遭遇~

みなさんこんにちは!平川動物ウォッチング隊員の落合です。今回のズーブログでは、巨木が生い茂る森で出会ったアオバズクについて紹介したいと思います。アオバズクは、初夏に日本へ飛来し、繁殖を行うフクロウの仲間です。鹿児島県でも数カ所で営巣する巨木があることが分かっています。センダンやホルトノキなどの樹洞を利用し子育てを行っています。

毎年、北薩地域のアオバズクの営巣を観察していましたが、今回は、「このあたりにもいるかな~」と思いながら、は虫類メインの観察に出かけました。

目的地は南薩地域の巨木が生い茂る森。目的はオキナワキノボリトカゲという本来なら奄美諸島や沖縄諸島に生息するトカゲの観察。このトカゲは観葉植物などに紛れ込み、鹿児島本土や宮崎県へ移入し定着してしまった国内外来種です。

名前の通り樹上で生活します

丹念に探すと、木の幹に擬態しているオキナワキノボリトカゲを見つけました。全長20㎝ほどですが、顔つきは恐竜そのもの!器用に木につかまっています。30分程度で数匹確認し、その他にもセミやチョウの観察もしていました。

顔つきは恐竜です!
忍者のように素早く移動するので、目をそらすと見失います

木についている生き物を探しているので、目線は上のほうを常に向いています。何度か視界に鳥が飛ぶ姿が入ってきましたが、「キジバトかな?」ぐらいしか意識していませんでした。しかし気になって、止まったであろう方向に視線を集中させると、ハトの飛び方ではないな?と思いました。「はて?なんだろうか」と思っているうちに、また飛んでいきました。今度は確信がもてました!

「アオバズクだ!」

胸元の羽がほわほわしているのが幼鳥の特徴です

巨木が生い茂っていたので、「営巣してくれていたらいいな~」と思っていたのですが、一度も出会うことがなかったので、うれしい誤算でした。はじめに確認できたのは、数日前に巣立ちしたであろうヒナでした。近くに親がいるはずなので、刺激を与えないように、周りの木を観察すると親鳥もしっかりいました。ヒナが上手に飛べるかを見守っていたのでしょうか?ヒナの位置を確認しているものの、動かずにたたずんでいました。ヒナは2羽以上いることが確認できました。

親鳥は離れた場所で、ヒナを見守っています
木々の間では擬態効果がある色をしています

こちらの動きを常に観察しながら、木々の間を上手に飛んでいます。あまり刺激を与えてはよくないので、しばらく観察してあとにしました。アオバズクは夏が終わる頃までは、周辺で生活し、秋になると東南アジア方面へ越冬のために旅立ちます。

眼光鋭くこちらを観察していました。また来年会いましょう!!

おそらく毎年同じ個体が、同じ場所で営巣すると思います。巨木が生い茂るこの森で来年も出会えること期待したいと思います。

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