においのお話し 続編

先月、園内の匂いについて寄せられたご意見に対する回答をブログに書いたところ、思いがけず大きな反響がありました。

意見箱より ④園内の「におい」が気になる

匂いを確かめに… (オオカンガルー)

反響があったのは、いわゆるインフルエンサーの方々がSNSで話題にされたことも大きかったようです。その結果、新聞やウェブメディアにも載ることとなりました。
本当に驚いています。

ありがたいことに、県外在住の方からお手紙もいただきました。

その中に、

「身の周りに芳香剤、柔軟剤やアロマのいい香りがあっても、ストーブの匂い、雨の匂いなど、生活の匂いが薄れている気がします。」

とありました。

私も同感です。庭先で物を燃やすことが禁じられ、スーパーでは魚がパック詰めされていると、草を燃やす匂い、魚屋さんの匂いと言ってもピンとこない人が多くなるのは当然です。

消臭スプレーが常備されているご家庭も多いのではないでしょうか?

ウシなどの家畜が身近にいる環境で暮らす人も少数派と思われます。ですから、生き物の匂いなどに過剰に反応し、違和感を覚える人が多くなっているのでしょう。

嗅覚がすぐれているカバ

ところで、私は無理に

「動物はすべていい匂いです」

と言っているわけではありません。

「動物の匂いには意味がありますよ」

と言いたいのです。

私たちがトラやクマの匂いを不快に感じるとしたら、ヒトに危険を及ぼす生き物を回避するための、生き物としての本質的な能力によるものかもしれません。

山で遭遇! は避けたいですね(ツキノワグマ)

「嗅覚を使いコミュニケーションを行う動物にとって、匂いはある意味『プロフィール』」

ということは、長年、動物園で仕事をしていると、当たり前の感覚になっていました。今回のブログに対する反響を通じて、動物園のスタッフが「当たり前」の感覚になっていることであっても、丁寧に説明すること、情報発信をすることの必要性に改めて気付かされました。

園長 福守

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