2022年が始まり、半月が過ぎました。
あらためまして今年もよろしくお願いいたします。
平川動物公園は年末年始(12/29~1/1)に4日間休園していました。この期間、お客様をお迎えすることはありませんでしたが、動物たち、飼育スタッフはいつもどおりの毎日でした。
年明けは1月2日から開園しました。
さっそく、多くの方々にご来園いただきました。ありがたいことです。
今年は寅年ということで、トラに関連するイベントが行われました。
トラの飼育担当者によるガイドは、クイズに答えながらトラについて楽しく学べる内容でした。参加してくださいました皆さま、ありがとうございました。
ベンガルトラの展示場では、いつもに増してスマートフォンやカメラで撮影される方が多かったようです。
「トラ」と名前に付くのはベンガルトラだけではありません。
オオトラツグミも「トラ」が付いています。
一見地味ですが、奄美大島にしか生息していない貴重な鳥で、天然記念物に指定されています。平川動物公園だけで展示されています。
ところで、1972年10月14日に開園した平川動物公園は今年で開園50周年を迎えます。
長い歴史の中で培われた良いものは引き継ぎつつ、時代に合わせて変えるべきところは変え、いつ来ても新たな発見がある動物園でありたいと考えています。
今の時代、世界中の動物園において、特に取り組むべきことは「保全」と「動物福祉」と言われています。
保全とは動物たちを守り育て増やし、将来にわたって維持すること、動物福祉とは科学的観点から動物たちの幸せで豊かな暮らしに配慮することです。
それを支えるのは動物に関する新たな知見を解明し蓄積する「調査研究」です。
また、「保全」「動物福祉」「調査研究」をまるごと正しく伝える「教育普及」「普及啓発」「情報発信」も欠かせません。
何か難しいことのように感じますが、元旦にアップされたスタッフによる「ひらかわズーブログ」
https://hirakawazoo.jp/zooblog/staff/8831
には分かりやすい具体例が示されています。
3回にわたるブログの内容をかいつまんで言うと
・希少動物であるワオキツネザルの繁殖に成功した
・母親は初産でうまく育児できなかった
・人が代わってミルクを与え育てることにした
・そのままでは将来的にワオキツネザルとしての社会生活に支障が出る
・一生を孤独に過ごすより群れでの暮らしを実現させるべき
・幼い時から群れへの復帰を目指し試行錯誤した
・最終的には群れで暮らせるようになった
ということになります。
ここには希少種の繁殖に取り組む「保全」と、群れでの社会生活を実現させる「動物福祉」が実践されています。
一連のことをブログにより「情報発信」し、それによる「普及啓発」が成されています。(取材があり新聞にも掲載していただきました)
これらの取り組みを動物園関係者の技術者研究会で発表すべく、飼育担当者は準備を進めています。まさに動物園における「調査研究」の一例と言えます。
今年も平川動物公園では「おもしろい」「かわいい」だけでなく、その先にあるものを分かりやすくお伝えできるよう努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
園長 福守